【実体験】私はどうやってオンラインレッスンを行ってきたか?

当ピアノスクールでは、2020年の4月からオンラインレッスンを導入してまいりました。

おそらく、これをご覧の先生方におかれましてもオンラインレッスンを導入されておられることと思います。

または、オンラインレッスンを導入したいものの二の足を踏んでおられたり、導入を断念せざるを得なかった先生もおられるかもしれません。

そこで今回は、これまでオンラインレッスンを継続してきた私の経験談をお伝えしたいと思います。

オンラインレッスンについての理解が深まり、よりよいオンラインレッスンの提供の一助になれれば幸いです。

オンラインレッスン導入の経緯

2020年4月ごろは、コロナという得体の知れない新型ウイルスが世の中に蔓延しはじめたころでした。

そして、それに伴いはじめての「緊急事態宣言」が発令され、私どもの地域(島根県松江市)でも学校が休校になるなどした時期でした。

誰もが経験したことのない状況でしたので「とにかく今できることをやろう」という考えから、オンラインレッスンにもチャレンジしたのを覚えています。

慣れない機械にあたふたしながら、不安もありつつのスタートでしたが、生徒ちゃん・保護者のみなさまのご協力もあり、休校期間中はオンラインレッスンを開催しつづけることができました。

オンラインレッスンに寄せられたご感想

先ほどは、ありがとうございました(*^^*)先生のお顔が見れて元気をいただきました♪オンラインなのに丁寧に分かりやすく説明してくださりありがとうございました。(小6:Fちゃんのお母さま)

ありがとうございます(*^^*)うちで練習する姿を見てもらえたのも良かったです。(小2:Hちゃんのお母さま)

昨日はオンラインレッスンありがとうございました。初めてでドキドキしていましたがとても楽しかったみたいです(*^^*)途中、カメラの調子が悪く音声だけになったときも、とても分かりやすく教えていただきありがとうございます。

「優美」についてもいただいたアドバイスをしっかり練習したいと思います!発表会の曲も褒めていただき喜んでいます!引き続きよろしくお願いいたします。(小3:Nちゃんのお母さま)

先日のオンラインレッスンもとても楽しく勉強になりました。ありがとうございました。(30代女性Tさんより)

やはり動画に記録してみようとすれば、練習にもメリハリがついたようです。添削していただいた点に気を付けてもう少しだけテンポを上げてみようと思います。(中3:Oちゃんのお母さま)

レッスン終わってすぐ、以前教えていただいたドレミ楽譜をやり、その途中で今動画を見てやり始めました。凄く楽しそうです!自粛中、家族意外とコミュニケーションがとれて〇〇にとってかなりよい時間となりました。

リモートで、少し不安でしたが、実際やってみると先生が色々工夫してくださったおかげでとってもわかりやすかったです!ありがとうございました。(小5&小1:Kちゃん兄妹のお母さまより)

先生、たくさんの楽しいコンテンツを紹介していただきありがとうございます。親子で楽しもうと思います!(中1&年長:Sちゃん姉弟のお母さま)

二人とも集中してお話がきけたように思います。家での練習姿勢も確認していただけて、オンラインならではのメリットもあると勉強になりました。

事前に動画を確認していただくなど、先生にはお忙しい中かなりお手間をかけていただいているように思います。事前のアドバイスが大変分かりやすく、レッスンで更に理解が深くなったと思います。ありがとうございました。

秋口までのコンクールが全て飛び、休校も長引き、気持ちが乗らないことも多くなってきました。流行りの曲の楽譜も取り入れながら何とか興味を失わせないよう、と苦心する毎日です。こんな中、お手間をかけていただき、変わらずレッスンしてくださることに大変嬉しく感じています。(小6&小3:Nちゃん姉弟のお母さま)

現在のオンラインレッスンの活用方法

現在は、基本は対面レッスンですが、状況に応じてオンラインレッスンも行っています。

例えば、急に生徒ちゃんや保護者の方が体調を崩されたときなどです。

コロナ禍ですので、少しでも体調がおかしいなと思われると、みなさん教室へいらっしゃることを控えてくださるんですね。

また、私の教室がある島根県松江市は、冬場に大雪が降ることもしばしばなんですね。

そうなると、レッスンを休校せざるを得ないこともありました。

しかしこのようなとき、今では、急遽、オンラインでレッスンを行うようにしています。

そのようにして、2020年から現在までオンラインレッスンを継続する中で、さまざまな気づきや発見、工夫がありました。

オンラインレッスンに必要なもの

普段、私は、以下の環境でオンラインレッスンを行っております。

また、生徒ちゃんも同様にご用意いただいています。

  • インターネット環境
  • スマホ・タブレット・パソコンなどのビデオ通話ができる機材(いずれかがあればOK、ちなみに私はスマホを使っています)
  • ビデオ通話アプリ(Zoomなど)
  • 機材を立てたり、固定する三脚やスタンド

ちなみに、ビデオ通話アプリはZoom以外にもいくつかあります。

  • LINEビデオ通話
  • スカイプ
  • Facebookメッセンジャー
  • FaceTime(iPhone同士なら利用可)
  • Google Duo(Android同士なら利用可) など

私は、生徒・保護者の方が使い慣れているアプリで通話するようにしています。

たいていは、ZoomかLINEが多いですね。

はじめた当初は「ちゃんとピアノの音が聞こえるかな?」と心配でしたが、最近はあまり音質は気にならなくなりました。

もしかしたら、音質が上がっているのかな?と思ったりもしています。

オンラインレッスンを行ううえで大切な心構え

「オンラインレッスンで、対面レッスンとまったく同じレッスンはできない」

私は、この前提でオンラインレッスンを行っています。

対面レッスンと同質のレッスンを求めようとされますと、オンラインレッスン導入をためらわれるかと思います。

もちろん、実際に対面をして目の前で生徒ちゃんがピアノを弾いて「生の音」を聴きながらのほうが効果的なレッスンができるのは間違いありません。

しかしだからと言って、オンラインレッスンでそれがまったくできないわけでもありません。

生徒・保護者の方がレッスンに求めておられること

とりわけ、緊急事態宣言で休校期間にオンラインレッスンを行ったときに、生徒・保護者の方から数多く寄せられた声が「こんな時期に、ピアノが弾けてよかった」でした。

これには、2つの意味があります。

ひとつは、誰もが不安に暮らす日々において、ピアノの音色が気持ちを癒し、落ち着けてくれたということ。

そしてもうひとつは「時間を持て余さなくてよかった」ということです。

学校がお休みだけれど、出かけることはできない。

お家でできることはかぎられている…。

そうすると生徒ちゃんも退屈ですし、子供さんの相手をしなければいけない保護者の方たちも大変ですよね。

そういった面で、オンラインでレッスンが受けられたことで、生徒ちゃんは退屈にならずに済みましたし、保護者の方もレッスンの時間は子供さんをレッスンに行かせたような状態になるのでよかったとおっしゃっていました。

このようなお声をいただいたときに「私たちピアノ教室は、ピアノ上達がもちろん求められるんだけど、それ以外に“音楽のある生活空間を提供する”ことも求められるんだなぁ」と強く感じた次第でした。

そう思うと、対面レッスンと同質のレッスンの提供が難しくとも、できる範囲のレッスンをオンラインで提供することはとても意義深いことだと、私は実感してまいりました。

また、実際にオンラインレッスンを提供したことで、オンラインレッスンならではのよさも感じるようになりました。

オンラインレッスンをやってよかったこと

  • 生徒ちゃんが受け答えをしっかりするようになった
  • 手元を映してくれると、そこがよく見られる
  • ご家庭でのレッスン環境がわかる

オンラインレッスンというのは、バーチャルな家庭訪問のようなものだと思うんですね。

言い方は少しヘンですが、オンラインレッスンを通じてご家庭での様子が見えてくるんです。

「お家のこういうところにピアノがあって、こんな姿勢でやっていたんだ」

例えば、お姉ちゃんのイスの高さそのままでやってたり、足台ナシで弾いていたり…。

 

教室では、イスの高さや足台などを生徒ちゃんに合わせていますので、最適な姿勢で弾くことができます。

そこで「お家でも教室と同じようにイスの高さや足台、姿勢などを注意してピアノを弾こうね」と指導することもあります。

それが変わるだけでも、うまく弾けるようになります。

 

ピアノを弾く大半の時間がお家での時間ですので、そのときにレッスン環境が最適なものになれば、やはり上達は早まります。

また、教室だと保護者の方が付き添いの生徒ちゃんなどは、私からの問いかけにお母さんが代わりに答えちゃうことがあるんですね。

けれど、オンラインレッスンの場合は、近くに保護者の方がいないことも多く、自分で答えなければいけない状況のため、ハキハキと受け答えができるようになるお子さんもいらっしゃいます。

余談:マスク生活でプラスになったこと

先ほどの受け答えに関連して、オンラインレッスンに加えて「マスク生活」になったことで、生徒ちゃんがハキハキ答えるようになったと、私は感じています。

対面レッスンであっても、マスク越しでの会話だとこれまでのような感覚で話していると、声が届きづらいというか、もごもごして聞こえちゃうことがあるんですよね。

そして当然それは、日常のさまざまな場面で起こっているはずです。

ですので、無意識にもハキハキと話すクセがついてきているように感じます。

オンラインレッスン、マスク生活、これらによって生徒ちゃんがハキハキと自分で受け答えができるようになったことは、私にとってはよろこばしいことであります。

オンライン添削も好評

オンラインレッスンは、リアルタイムで行うものばかりではありません。

コンクールが近づいているときなどには「緊急オンライン添削」を行うこともあります。

やり方としては、まず生徒ちゃんにスマホなどでピアノの演奏を撮影してもらい、その動画と楽譜をLINEなどで送ってもらいます。

そして、私のほうでそれを見て、アドバイスをLINEで返答するというものです。

文面で返信する場合もありますし、上の画像のように送られてきた画像のポイントにメッセージなどを書き加えて返信することもあります。

必然的に、ポイントを絞ったアドバイスになりやすく、そのポイントを集中的に意識をして練習がしやすくなるようです。

オンラインレッスンのデメリット

もちろん、オンラインレッスンにもデメリットがあります。

例えば、先ほどお家でのピアノを弾くときの環境や姿勢といったお話をいたしました。

しかしお家の間取り上、思ったような姿勢や状況を取れない場合があります。

また、ピアノがあるお部屋はピアノ専用室じゃないこともあるので、まわりのご家族に負担や協力を強いることもあります。

さらには、オンラインレッスンのための各種ツールのご準備や設定など、ご家族の協力がなければオンラインレッスンの開催は困難になります。

オンラインレッスンでのアクシデント

それから、オンラインレッスンをはじめた当初、突然、映像が固まってあたふたしたことがありました(苦笑)。

そのときは、急遽、電話に切り替えてレッスンを行いましたね。

いずれの状況になっても、とにかく何とかレッスンをしなければいけません。

ですので、むしろそういうときほど必死だからか機転が利くようになるというか、よりよい改善策が生まれることが多いように思います。

また、今となってはそのような事態が、生徒・保護者の方たちとも笑って話せるようなひとつのエピソードになっています。

結果的に、アクシデントが生徒・保護者の方たちとの結束を深めることにつながったと思いまうんですね。

ですので、アクシデントが発生しても、それを楽しむくらいで対応されることをお勧めいたします。

オンラインレッスンを継続してきた結果

こうした取り組みを行ってきた結果、生徒ちゃんがレッスンをお休みすることが減りました。

そして、これまでのコロナ禍のどんな時期も、誰も休むことなくレッスンを継続しています。

そのため今では、レッスンの振り替えもしなくなりました。

またオンラインレッスンのおかげで、私の収入が減ることもなく安定した教室経営も実現できています。

もちろん、これができたのは生徒・保護者の方々をはじめ、多くの方のご協力のおかげに他なりません。

私は、コロナが終息しても、オンラインレッスンは提供していくつもりです。

なぜなら、オンラインレッスンがあることで生徒・保護者の方たちにより満足いただけるレッスンの提供ができると確信しているからです。

ぜひ、これをご覧の先生方にも、オンラインレッスンをご活用いただき、生徒・保護者の方たちにご満足いただけるレッスンをご提供いただければと思います。

タイトルとURLをコピーしました