ピアノ指導法:挑戦しつづける力が未来を拓く〜金賞をめざす心の育て方〜

ピアノコンクールで金賞をめざす生徒たちには、結果だけでなく挑戦しつづける過程が重要です。失敗や挫折も学びと捉え、自信を積み重ねていくことで、つぎの挑戦への力を育みます。

結果に一喜一憂せず成長をよろこび合う姿勢が、未来への大きな糧となります。

各種コンクールで金賞者、入賞者を輩出している林ピアノスクール講師 林けい子が、生徒たちが自主的にコンクールに挑戦しつづけるための指導法についてお伝えしています。

動画の内容について要約

(00:00)今では生徒の皆さんが様々なコンクールやコンテストで入賞、金賞を取られていますが、最初から全員がそうだったわけではありません。ほとんどの子どもたちは初めはなかなか結果が出せなかったんです。落ち込んで「もう出たくない」と言い出す子もいてもおかしくありませんでした。それでもコンクールに挑戦し続けられた理由は何なのでしょうか。
まず大切なのは、「出ること」、つまり参加することです。挑戦する気持ちが何よりも重要で、結果だけにこだわると、例えば金賞を取ったらそれで満足して終わってしまうかもしれません。もちろん、金賞を取りたいという強い思いを持つのは素晴らしいことですが、それに執着せず、過程や努力そのものを大切にしてほしいと思います。

(01:04) コンクールの結果は、審査員や会場の状況など多くの要因に左右されるものです。だからこそ、結果だけでなく、その過程で何を学んだのか、どのように成長したのかを振り返ることが重要です。ブログやLINEで保護者とやり取りをしながら、コンクールを通じた成長を共有します。「数カ月前にはできなかったことが、今ではここまでできるようになったね」といった小さな進歩を子どもにも保護者にも伝えています。

(02:08) コンクールでは、落ちる人の方が多いのが現実です。しかし、たとえ選ばれなかったとしても、得られるものは計り知れません。結果が残念だったとしても、その挑戦の中で得た経験やスキルを見逃さないようにしています。

(03:12) 特に小さな子どもたちは、「なぜ自分がトロフィーをもらえなかったのか」と悩むこともあります。それでも、「ミスを恐れず、最後まで弾き切る」という姿勢を重視しています。審査員の評価は多角的で、ミスがなくても曲の表現やニュアンスが評価される場合もあります。公表されたコメントを見ながら、どの部分が良かったのかを一緒に確認し、次に向けて改善点を探ります。

(04:17) 舞台での経験は、何十回もの練習に勝る価値があります。発表会やコンクールは、自分との戦いです。例え間違えたとしても、最後まで演奏をやり切ることが大切です。それは子どもたちだけでなく、保護者にも伝えています。「発表会で舞台に立ち、最後まで演奏しただけで大成功だ」と励ましています。

(06:27) 小さな成功体験を積み重ねることで、大きな自信につながります。最初はお辞儀だけでも、次第に曲が弾けるようになり、やがて難しい演奏にも挑戦できるようになります。そうした成長を焦らずに見守り、褒めて伸ばしていくことが大切です。

(07:32) ピアノは基本的に1人で演奏するものです。自己解決能力を養うための良い機会になります。ステージに立つことや、自分で問題に立ち向かうことを通じて、子どもたちは大きく成長していきます。その土台を築くには時間が必要ですが、その努力が将来にわたる大きな力になります。

動画についてのまとめ

結果よりも参加の重要性

  • コンクールでは結果以上に、参加すること自体が大切であると強調。
  • 多くの生徒は最初から受賞できるわけではない。

失敗や経験からの学び

  • 結果にとらわれず、過程や自己成長を重視する姿勢を育てる。
  • コンクールの結果は、審査員や会場の状況など、主観的な要因にも左右される。

振り返りと改善を促す

  • コンクール後、生徒や保護者に努力や成長を振り返る時間を設ける。
  • 準備中に身につけたスキルや進歩を具体的に指摘し、次への改善点を共有。

挑戦を通じた強さの育成

  • ミスを恐れず最後まで集中して弾き切る大切さを教える。
  • 困難を乗り越えることで、精神的な強さを培う。

保護者との連携とコミュニケーション

  • ブログやLINEで保護者と連絡を取り合い、努力や成長を共有。
  • 小さな成功を見逃さず、保護者にも一緒に喜んでもらう工夫をする。

ステージ経験の価値

  • 本番の経験は、練習の何十回分もの価値がある。
  • 舞台での経験が自信を育み、さらなる挑戦につながる。

段階的な成長と自己信頼

  • お辞儀ができる、小さな曲を弾けるなどの些細な成果を認め、成長を積み重ねる。
  • 小さな成功体験が自信へとつながる。

個々に合わせた指導

  • 生徒それぞれのペースや個性に応じた成長を大切にする。
  • 継続的な努力と反省を通じて、少しずつ進歩を促す。

現実的な目標設定

  • 最初から完璧を求めず、時間をかけて土台を作る。
  • 成果を急がず、長期的な成長を目指す指導。

音楽を超えた人生スキルの習得

  • コンクールや発表会を通じて、忍耐力や集中力、プレッシャーへの対処能力など、人生で役立つスキルも身につく。
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